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「Inter BEE 2023」担当者スペシャルインタビュー

幕張メッセで2023年11月15日(水)~17日(金)まで開催された「Inter BEE 2023」に出展しました。
 
今年で59回を迎えるInter BEEは歴史と実績に裏づけされた、日本随一の音と映像と通信のプロフェッショナル展として、コンテンツビジネスにかかわる最新のイノベーションが国内外から一堂に会する国際展示会です。
 
今回はこちらの出展を担当した企画担当と技術担当の2人にインタビューをしましたのでご紹介します!
 
はじめに、Inter BEEの展示の企画・運営を中心的に担当した芹澤さんにお話を伺いました。芹澤さんの部署は主にB to B領域においてソニーワイヤレスコミュニケーションズ株式会社(以下SWC)の通信を使ったサービスの企画をする部署です。
 
企画担当:事業開発2部 エンタテインメント企画課 芹澤さん

エンタテインメント企画課 芹澤さん


■今回はソニーマーケティング株式会社(以下SMOJ)とのコラボレーション展示があったと思います。どんなことをされたか教えていただけますか?
 
芹澤さん)
大きく2企画を実施しました。

1.ソニー製のCinema Line カメラ『FX30』とカメラをリモート制御できるCamera Remote SDKを使ったリモートプロダクションの事例紹介
SWCは8月に実施されたSUMMER SONIC 2023において、株式会社WOWOW(以下WOWOW)とソニー製デジタル一眼カメラαを制御出来るCamera Remote SDKを用いてリモート制作を実施しました。

これはTBSテレビ(以下TBS) とWOWOWが共同開発し、スポーツ中継の現場で実用の始まっているリモートプロダクションシステムを用いて、音楽ライブ制作現場でも運用が可能か検証するというものでした。(詳しくはWOWOWのリリースをご覧ください)

SMOJ側としてもこのリモートプロダクションシステムはαのCamera Remote SDKを活用頂いている事例の1つとしてTBS・WOWOW・SMOJ・SWCの4社共同という形でSMOJ・SWCのブースで展示を行いました。

SMOJ側はSDKの活用事例を、SWCはリモートプロダクションの活用事例をそれぞれのブースで展開し、同時にTBS社屋に置いたリモート用カメラを実際に遠隔で操作するという実機とリモート体験の2つを展開しました。
 


2.ソニー製クラウドスイッチャーM2 Liveへの伝送
SMOJ側で展示を行ったクラウドスイッチャー「M2 Live」に対し、会場内からリアルタイムでカメラ映像の伝送を行いました。
SMOJとしてはライブ映像ソースとしてワイヤレスでのカメラ映像伝送の提案手段を増やすことができ、SWCとしてはローカル5G設備を使って安定的なカメラ伝送ができることを展示した形です。
各ブースから相互に送客を行い、ソニーとして盛り上げて行こうと連携を行いました。
 
■その実施に向けて苦労したこと、できできてよかったことはありますか?
SWCブースでは、上記の実施内容における通信部分については送受信全てSWCのローカル5G設備を使って実現しました。

一般的なインターネット回線を使わない構成のため、事前の検証は各社と入念に行いました。その中でどういった展示が良いか、各社と調整を行いながら実際の出し方を模索するのは苦労した点です。
逆にそういった苦労を越えて無事に展示まで漕ぎ着けたことは良かった点です。実機がその場にあること、体験として実際に操作が出来ることは直に通信の価値を感じてもらうことができ、有意義なものとなったと思います。
 
■今後やりたいことや目指していることがあれば教えてください。
実際に自分が映像配信の分野で働いていたこともあり、無線通信が解決できることは多いと感じています。今回のトライはまさに「解」の一つとなるものだと感じています。
他社パートナーの技術とソニーの製品、それらをSWCの通信が繋ぐ。目指すべき形を表現できたことは喜びでした。

映像の分野は特に品質や安定性を求められる世界です。ハードルは高いですが、越えられた時は新しいスタンダードとして価値を生み出すものだと感じています。

ソニーとしても多拠点でのリモートプロダクションへの取り組みを始めていますが、SWCも現場からそういった価値を作っていきたいと思っています。

いっぱいの楽しいコンテンツが無線を使って手軽に世の中を回っていく世界を作りたいなと思います。
 
次に、芹澤さんのお話にもあった通り幕張メッセではSWCの通信をさまざまなイベントでご利用いただいております。今回は利用用途に合わせてよりよい通信環境になるよう設計している島田さんにもお話し伺いました。
 
技術担当:技術開発部 建設課 島田さん

建設課 島田さん


■幕張でSWCが実施していることはなんですか?
幕張メッセ国際展示場展示ホール4〜6にSWCがローカル5G設備を構築し、利便性向上などを目的とした実証実験を行っています。
(実験局免許については、7月19日に取得済)
 

 
■建設課(私のチーム側)にて実施していることはなんですか?
ホール4~6の各ホールに基地局を設置しており、実証実験の内容や必要用途にあわせて使用する基地局の台数の検討。及び利用したい場所に対して、電波の向きを調整し最適な品質が確保できるように都度エリア設計(指向方向やチルト角の調整)を実施しています。
 
無線品質を可視化するためのエリアシミュレーションツールを使用し、電波がどの程度飛ぶか可視化し設計を行っています。
 
■その実施に向けて苦労したこと/よかったことはありますか? 
 
・苦労した点
屋内環境における安定した無線品質の確保
→複数の基地局で電波を発射した場合は、電波同士の干渉が発生し無線品質の低下を招きます。かたや1台の基地局で電波を発射した場合は、利用したい場所に十分な電波が届かず、その場合も利用ができない等の影響があります。
 
Inter BEEにおいても会場内でSWCが利用したい場所に対して、最適な品質を確保するために、事前に実施したエリアシミュレーションの結果とにらめっこしながら、イベント前日ギリギリまで会場内の電波測定を行い運用する基地局数の検討を行いました。また会場内での人の行き来等が発生することでも無線品質は大きく変化をします。
 
その変化について所望品質より悪くなってしまうことも事前に考慮にいれながら、安定した通信が確立できるよう努めました。
 
■今後やりたいことや目指していることがあれば教えてください。
各実証実験から得られた成果を活用し、今以上にエリア設計の精度を向上させ、お客様が利用したい場所やサービスを実現するための最適な品質を届けられるようにしていきたいです。
 
そのうえでローカル5G設備とソニーグループのさまざまなアセットを活用し、お客様に新たな感動とサービスを届けられればと考えています。
 
SWCでは現在いろいろなPoCを行い、ローカル5Gを使いみなさまにこれまでにない感動体験をしていただけるものを作り出すことを目指してがんばっております。

新しい技術=難しいと思う面もあるかもしれませんが、実際に体験していただくことが理解への近道だと思うのでぜひお近くで体験できる環境がありましたら体験してみてください!